【DUCATI MONSTER】
イタリアン Lツインの雄、ドカティーの色替えペイントのご紹介。
愛車を自分好みのオリジナルカラーにペイントするのが今回のオーダーです。
ドカの場合は大抵、純正色でのリペイントや補修ペイントなので、
イメージを変えるオーダーは比較的珍しい内容になります。
この車両のガソリンタンクは以前に純正色リペイントに出した事が有るらしいのですが、
その時の何らかの理由でタンク全体にブリスター(表面の細かいブツブツ)が
発生してしまっています。ウチではこの様な不良塗膜を下地として利用する事はありませんので、
剥離を行い再下地処理からやり直す事になりました。
通常ブリスターは納車時には皆無で、時間の経過と共に徐々に現れて酷くなっていきます。
トラブルが発生する原因は材料/作業内容/塗装環境等様々あると思いますが、
こういった可能性を一つずつ潰した仕事が最終的には良い仕上がりに繋がっていくと考えます。
こだわりのファッションクリエーターが今回のオーナーさん。
なるほど、納得!
まずはサンディングにて問題塗膜の状態を詳しく観察した後、ブラストを使って剥離します。
こういったトラブルデータの蓄積が自分の財産となり、仕事にフィードバックさせていく事を
10年以上やり続けた結果が、今の当社の作業理念になっています。
ブラスト後は下地塗装を施して金属表面の劣化を止めます。
タンク以外のパーツは剥離までの処理は必要無いものの、
通常使用によるダメージがあちこちに見受けられるので、こちらもきちんと修正していきます。
ガソリンタンクはオートバイの顔。
キズ/へコミ等はもちろん、製造過程上生じる歪み等も可能な限り取り除きます。
塗装を鏡面仕上げにする場合はこの作業は必須です。いくら塗装肌がテカテカでも
写りこむ景色がグニャリと歪んでいては鏡面の魅力も半減してしまいますよ。
全ての修正が終わったら、サフェーサーを塗装し乾燥室へ。
今回はホイールも色替えするので作業期間中車両はこんな姿です。
赤だったホイールはターコイズブルーへ。
下地の最終段階です。
仕上がりに大きく関係する工程なので慎重に丁寧に。
ベースペイント完了!
ダメージ箇所も綺麗さっぱりのツルピカです。
タンクサイドには、ご指定書体でのドカロゴとフリーの筆書き文字のオーダーを頂いております。
文字を入れたタンクは再びクリアーコート。
全ての塗装が終わったら、仕上げの磨き作業へ。
ビッカビッカに仕上げましょう!
車体に組み付ければ、無事完成!
ビビットな色のホイールと原色じゃない微妙な色合いのメタリックボディー。
かなり難しい組み合わせだと思っていたのですが、仕上がってみると絶妙な色彩バランスです。
さすが、ファッションの世界に精通している方だけあります。
僕なんかでは、到底創造できない都会的なセンスは勉強になりました。